小杉放菴(左)と清水比庵(右)
2015年1月1日[木・祝]~2月15日[日]
休館日=毎週月曜日(祝日のときは開館し、その翌日を休館)
年始休館1月5日~7日
開館時間=午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
1958(昭和33)年、徳川家の17代目当主であり、外交官として活躍した徳川家正や、近代の日本を代表する画家・小杉放菴とともに、旧・日光市で最初の名誉市民に推戴された清水比庵は、京都帝国大学を卒業後、司法官を経て、安田銀行や古河銀行、古河電工に勤務し、その後、1930(昭和5)年から9年間3期にわたり、日光町の町長として活躍した人物です。町長在任中、町役場への観光課の新設や、観光常設委員による全国宣伝、温泉源の開発など、現在につながる観光行政の基礎を築き上げ、日光が国立公園に指定されたのも比庵が町長であった時期でした。
一方、中学時代から短歌に親しみ、『万葉集』に傾倒していた清水比庵は、日光の地で歌誌『二荒』を主宰し、歌人としても知られるようになります。また、ほぼ独学ながら、書と画にも非凡な才能を発揮し、年齢を重ねるごとに独自の芸境を深めました。むしろ、全国的には芸術家としての活動の方が知られているといってもよいでしょう。その作品の多くは、大胆な絵の周りに自詠の短歌が奔放な書体で記され、歌と書と画が一体となった力強い独特な造形性を表出させています。
小杉放菴は、清水比庵が日光町長であった頃から交流を持ち、歌誌『二荒』の表紙絵を描いたこともありました。また、後年には、越前今立の岩野平三郎が放菴の専用紙として漉いていた「放菴紙」とよばれる麻紙を、比庵の制作のために提供することもあったようです。
今年は、清水比庵の没後40年を迎える節目の年であることから、小杉放菴との親しい交遊を偲び、両者の作品を合わせて展示いたします。日光が生んだ不世出の画家と、同じく日光に所縁の深い稀代の文人との競演をお楽しみください。
会場 | 小杉放菴記念日光美術館 展示室 |
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主催 | 公益財団法人 小杉放菴記念日光美術館/日光市/日光市教育委員会 |
料金 | 一般720(640)円、大学生510(460)円、高校生以下は無料 ※( )内は20名以上の団体割引料金 |
広報 |
「selection 2015 初春 清水比庵+小杉放菴」展出品目録.pdf |
お問い合わせ | 小杉放菴記念日光美術館
〒321-1431 日光市山内2388-3 telephone:0288-50-1200 |