2013年7月13日[土]~8月25日[日]
休館日=毎週月曜日(祝日のときは開館し、その翌日を休館)
開館時間=午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
このたび、小杉放菴記念日光美術館では「春陽展第90回記念」として、今年、ちょうど生誕から 120年を迎え、草創期の春陽会で重きをなしていた洋画家・木村荘八の展覧会を開催いたします。
1893(明治26)年、牛肉店「いろは」を営む実業家・木村荘平の八男として東京・日本橋で生まれた荘八は、京華中学校を卒業後、浅草で家業の帳場を手伝う一方、兄・荘太の影響で文学に興味を持ち、小説を書いたりもしますが、1911(明治44)年からは白馬会の葵橋洋画研究所で学び、画家を志します。
そして、岸田劉生と出会って交流を深め、1912(大正元)年、斎藤與里の呼びかけで岸田らとフュウザン会の結成に参加。翌年、同会が解散したあとも岸田と行動をともにし、生活社の活動を経て、1915(大正4)年には草土社の結成に参加しました。この間、実家から独立し、美術に関する翻訳や執筆を続けながら洋画家として活動を続け、1918(大正7)年より院展の洋画部や二科展にも出品します。院展では樗牛賞を受賞し、1922(大正11)年、春陽会の設立に客員として参加、2年後に会員となって油彩画の大作を相次いで発表しました。1935(昭和10)年から事務所を引き継ぎ、長く会の運営で中心的な役割を果たしましたが、その人柄や実務能力に小杉放菴などは深い信頼を寄せていたようです。
1924(大正13)年に、白井喬二の小説『富士に立つ影』の挿絵の一部を担当して以来、挿絵の仕事にも注力し、1937(昭和12)年には永井荷風の新聞連載『ボク東奇譚』の挿絵で失われゆく古き下町文化への憧憬を、独自の奔放な描線で情感豊かに描き切り、挿絵画家としての評価を確かなものにしました。さらには、文学、演劇、音楽、風俗、芸能など、さまざまな分野で著述活動を精力的に展開し、その集大成といえる『東京繁昌記』の絵と文により、亡くなった翌年の1959(昭和34)年に日本芸術院賞恩賜賞を受賞しました。
この展覧会では、油彩画の代表作や挿絵の原画を中心に、同時代の洋画家たちの作品も併せて展観することにより、西欧の最新の美術理論を自ら翻訳して紹介するグローバルな視野を持ちながら、生まれ育った東京の身近な風景や風俗といった移ろいゆく光景を題材として選び、情緒豊かな絵や文章で表現しようとした画家の全体像を多角的に浮き彫りにしたいと思います。
会場 | 小杉放菴記念日光美術館 展示室 |
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主催 | 公益財団法人 小杉放菴記念日光美術館/日光市/日光市教育委員会/東京新聞 |
協力 | 企画協力:一般社団法人 春陽会 |
料金 | 一般700(630)円、大学生500(450)円、高校生以下は無料 ※( )内は20名以上の団体割引料金 |
関連イベント | ●親子で楽しむワークショップ 「ふくべのヒビキを楽しもう!(夕顔の実を使った楽器作り)」 講師:汐崎ussey弘 氏(形と音の作家) 日時:2013年8月4日[日] 会場:小杉放菴記念日光美術館 エントランスホール ●連続講座 「美術館でブックトーク~あなたに伝えたい美術の本~ 第2回 絵で綴る文学 木村荘八の挿絵と装丁」 講師:大貫伸樹 氏(装丁家/装丁・挿絵史家/オブジェ制作家) 日時:2013年8月24日[土] 会場:小杉放菴記念日光美術館 エントランスホール |
広報 |
「生誕120年 木村荘八展」チラシ.pdf 「生誕120年 木村荘八展」出品目録.pdf |
お問い合わせ | 小杉放菴記念日光美術館
〒321-1431 日光市山内2388-3 telephone:0288-50-1200 |