2014年9月20日[土]~11月3日[月・祝]
休館日=毎週月曜日(祝日のときは開館し、その翌日を休館)
開館時間=午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
小杉放菴の没後50年を迎えるにあたり、小杉放菴記念日光美術館では<没後50年 小杉放菴展>を開催し、その画家としての生涯を主な代表作品によって多角的に回顧します。
1881(明治14)年に日光で生まれた小杉放菴(本名・国太郎)は、はじめ、日光に在住していた洋画家・五百城文哉のもとで学んで、「未醒」と号し、その後、上京して画塾・不同舎に入り、さらに研鑽を積みました。日露戦争に画家として従軍し、漫画やコマ絵でジャーナリスティックな才能を発揮、1907(明治40)年に開設された文展でも、2年連続して最高賞を受賞します。
ほぼ1年間にわたるヨーロッパ遊学から帰国後は、次第に日本画の制作が多くなり、1930年代以降は号も「放菴(放庵)」と改めました。この間、横山大観と親しくなったことから、院展の再興に参加して洋画部を主宰、その解散後には春陽会の創立に関わります。親しい友人であった山本鼎の農民芸術運動に協力するなど、その芸術活動はたいへん幅広く、また、国木田独歩や芥川龍之介をはじめとする作家や周辺の学者、思想家、財界人たちとの親密な交友関係も知られていますが、晩年は新潟県赤倉の山荘に住んで、仙人になったと評される生活を送り、1964(昭和39)年に没しました。
その制作は、日光に居たときに描いた、外国人観光客への土産用の水彩画から始まり、不同舎に属していた時期の旧派系の洋画、堅実な写実に絶妙な装飾性が加味された文展の出品作、デフォルメされた人物を軽快なタッチで描いた漫画やコマ絵、さらには、洋画の影響を色濃くのこした初期の日本画から、独特の風合いをもつ特注の放菴紙(麻紙)に妙味あふれる墨線を生かした淡彩の日本画まで、たいへん幅広いジャンルにおよび、日本の近代美術史上に特異な存在感を示しているといえるでしょう。
残念ながら、初期の油彩画などは、ほとんどが失われてしまっていますが、今回の展覧会では、可能な限り、各時代の代表作を御紹介し、小杉放菴の多彩な制作活動を、改めて振り返ってみたいと思います。
会場 | 小杉放菴記念日光美術館 展示室 |
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主催 | 公益財団法人 小杉放菴記念日光美術館/日光市/日光市教育委員会 |
料金 | 一般720(640)円、大学生510(460)円、高校生以下は無料 ※( )内は20名以上の団体割引料金 |
関連イベント | 特別企画 美術講座「放菴作品からみる表装入門―掛軸の様式と取扱い方」 講師=寺門泰三 氏(表具師) 日時=2014年10月18日[土] 午後2時~3時30分 |
広報 |
「没後50年 小杉放菴展」チラシ.pdf 「没後50年 小杉放菴展」出品目録.pdf |
お問い合わせ | 小杉放菴記念日光美術館
〒321-1431 日光市山内2388-3 telephone:0288-50-1200 |