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展覧会selection 2013
般若塚・黒崎家の扇面コレクション

ex-123 selection 2013 般若塚・黒崎家の扇面コレクション

小泉斐《中国故事人物図》

ex-123 selection 2013 般若塚・黒崎家の扇面コレクション

高隆古《枯木竹石図》

2013年6月1日[土]~7月7日[日]

休館日=毎週月曜日
開館時間=午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)

 このたび、小杉放菴記念日光美術館では、日光市が昨年度に寄贈いただいた「般若塚・黒崎家の扇面コレクション」と称される扇面画を御紹介する展覧会を開催いたします。
 このコレクションは、栃木県芳賀町の般若塚にあった黒崎家の当主が江戸時代の後期に収集した、扇形の画面に描かれた一連の作品群であり、近年まで、御子孫の手によって大切に守り継がれてきました。

 黒崎家は、「般若塚」という地名が代名詞となるほど、戦前までは広く世に知られた豪農でした。江戸時代、所有する耕地や山林は60町歩から70町歩(18~21万坪)におよび、屋敷内では酒や油や醤油の製造も行ない、江戸にまで出荷していたといわれています。戦後の混乱期に一切の古文書類が亡失したため、その繁栄の歴史をたどることはむずかしくなりましたが、現存する473 枚の扇面は、コレクションを形成する前提となった広範囲な交友関係を明らかにしており、往時の栄華を偲ばせます。
 これらの扇面画の作者としては、立原翠軒、立原杏所、小泉斐、高隆古、諸葛琴台、谷幹々といった名前も見ることができます。各地から多くの文人墨客が訪れ、緊密な交流が持たれていた状況で収集された扇面コレクションは、江戸時代の後期における地方の豪農層の文化的水準を知るための貴重な資料であるといえるでしょう。

 小杉放菴記念日光美術館では、下野国の豪農と、そこを訪れて詩歌や書画をのこした中央の文人たちとの交友に見られる、ある種のネットワークの存在が、文化的な側面から、来たるべき近代を切り拓く大きな原動力となり、さらには、小杉放菴や清水比庵らに代表される近代の文人画の源流ともなったのではないかという観点から、2002(平成14)年に<近代を拓く風 般若塚・黒崎家の扇面コレクション>展を開催しています。
 その後も調査を続け、扇面コレクション全 473点の図版と、判明している限りの全てのデータを掲載した図録と、扇面に記されている文字を読み下した解読集を発行しました。
 このような経緯を踏まえ、今回の展覧会では、黒崎家の扇面が結ぶ文人ネットワークの存在を中心に、より分かり易く御紹介したいと考えております。また、扇面を一堂に展覧することにより、扇形という特殊な画面形式によって生み出された、機知に富んだ構図や装飾性などもお楽しみいただければ幸いです。

詳細情報
会場 小杉放菴記念日光美術館 展示室
主催 公益財団法人 小杉放菴記念日光美術館/日光市/日光市教育委員会
料金 一般700(630)円、大学生500(450)円、高校生以下は無料
※( )内は20名以上の団体割引料金
広報 「黒崎家の扇面コレクション」展出品目録.pdf
お問い合わせ 小杉放菴記念日光美術館
〒321-1431 日光市山内2388-3
telephone:0288-50-1200