小杉放菴記念日光美術館では、2007（平成19）年度に開催した＜出会いの美術＞展以降、美術鑑賞教育をテーマに、来館者の方が絵画を鑑賞する楽しさを実感し、自らの嗜好にあった作品と出会える機会の提供を目的とした展覧会を、継続して開催しています。今回の展覧会＜美術を見る愉しみ＞展も、そのシリーズのひとつです。

　この展覧会では、さまざまな種類の優れた美術作品を数多く見る体験を積んでいくことが、絵画鑑賞の出発点であり、鑑賞教育を行なう上で欠かすことのできない前提であるとの考えに基づき、所蔵作品の中から、複数の作家による、多様な技法を用いた作品を選び出し、一堂に御紹介します。

　日本画・油彩画・水彩画・版画・素描・彫刻といった素材や技法の異なる作品や、具象や抽象といった、表現方法の異なる、さまざまな作品が展示された空間を、ゆっくりと歩いていただき、まずは、自分の興味や関心が向く対象との出会いを楽しんでいただけましたら幸いです。