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展覧会〈未醒〉時代の小杉放菴
 ――新発見《降魔(習作)》初公開

ex-165 〈未醒〉時代の小杉放菴

小杉未醒《降魔(習作)》
1907(明治40)年頃
小杉放菴記念日光美術館蔵

2020年10月31日[土]~12月20日[日]

休館日=毎週月曜日(祝日は開館し、その翌日を休館)
開館時間=午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)

 小杉放菴は、その生涯に本名や雅号が何度も変わっていることをご存知でしょうか。1881(明治14)年に生まれた時の本名は「小杉国太郎」ですが、3歳から20歳までは他家に養子にいっていたため「国府浜国太郎」という名前だった時代もありました。この間に師匠・五百城文哉から「台東」という雅号をつけてもらいましたが、これはあまり使わなかったようです。1901(明治34)年5月に小杉家に復籍した頃、自ら雅号「未醒」を名乗り、本格的に画家としての活動を始めました。その後、1923(大正12)年頃に「放庵」、1933(昭和8)年末に「放菴」へと雅号を変えていきました。「放庵」に変えてすぐの頃は、誰かわかってもらえなくなるので、5年間ほど「放庵未醒」と署名していた時期もありました。当館の名称は、最後の雅号であり、もっとも長く使用された「放菴」に由来します。

 今回の展覧会は、小杉放菴が画家として活動を始め、画壇での地位を確立した「未醒」時代、20歳から47歳までにあたる1901~1928年の作品に注目するものです。1904(明治37)年、日露戦争に報道画家として従軍し、国内の雑誌に戦地の様子を伝えるスケッチが頻繁に掲載され、「小杉未醒」の名が広く知られていきました。そして1910(明治43)年からの文部省主催美術展での連続受賞、1914(大正3)年の横山大観との日本美術院再興、1922(大正11)年の春陽会設立というように、その画業における重要な出来事が、この「未醒」時代に多くありました。この時代を再考することは、小杉放菴の画業を研究するうえで、重要な意義を持つと考えます。

 さらに、今回の展覧会では、令和元年度に日光市が購入した油彩画《降魔(習作)》を始め、近年発見された、「未醒」を名乗り始めて間もない時期の水彩画が初公開となります。《降魔(習作)》は、1907(明治40)年の東京勧業博覧会に出品された油彩画の習作と考えられる作品で、出品作自体は所在不明になっているため、本作は未醒時代初期の作風を知ることが出来る貴重なものです。これらの作品は、いずれも現存例が少ないために等閑視されていた時代のもので、これらの作品の出現は、小杉放菴研究に大きく寄与することになると期待しています。

詳細情報
会場 小杉放菴記念日光美術館 展示室
主催 公益財団法人 小杉放菴記念日光美術館/日光市/日光市教育委員会/下野新聞社
料金 一般730円、大学生510円、高校生以下は無料
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、日光市公共施設使用料免除カードの交付を受けた方とその付き添いの方1名は無料
※第3日曜日「家庭の日」(11月15日、12月20日)は、大学生は無料
※新型コロナウィルス感染拡大防止のため、当面の間、15名以上の団体利用はご遠慮いただいております。
広報 〈未醒〉時代の小杉放菴展チラシ.pdf
〈未醒〉時代の小杉放菴展プレスリリース.pdf
「〈未醒〉時代の小杉放菴」展出品目録.pdf
お問い合わせ 小杉放菴記念日光美術館
〒321-1431 日光市山内2388-3
telephone:0288-50-1200