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展覧会コレクションの20年Ⅰ
風景画いろいろ

ex-148 コレクションの20年Ⅰ 風景画いろいろ

河久保正名《東照宮・陽明門と神輿舎》
小杉放菴記念日光美術館蔵

ex-148 コレクションの20年Ⅰ 風景画いろいろ

小杉放庵《水亭》 1932年
小杉放菴記念日光美術館蔵

2018年1月1日[月・祝]~2月12日[月・祝]

休館日=毎週月曜日(1月1日,8日,2月12日の祝日は開館)、1月4日[木]~6日[土]は年始休館、1月9日[火]は振替休館
開館時間=午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)

 本展は、当館が誇る「日光の社寺を描いた水彩画」「小杉放菴の風景画」「国立公園絵画」の3つのコレクションから選りすぐった作品によって、日本の近代風景画の諸相を提示する展覧会です。

 洋画と日本画の双方に独自な境地を開いた小杉放菴(未醒)の故郷である日光は、明治時代から外国人が避暑に訪れる観光地として名を馳せており、放菴を始めとする画家たちは、東照宮や神橋、杉並木を描いた外国人向けの「おみやげ絵」を生活の糧に制作しました。また、東京に住む画家や外国人画家が写生に訪れるなど、日光は多くの風景画家たちを惹きつけてきました。そうした画家たちが日光をどのように描いてきたのか、日本人画家と外国人画家の作品を列べ、両者の視角について検証します。

 また、放菴は生涯を通じて旅を愛し、日本・世界各地の風景のスケッチを多く残しました。それらは実際の風景をあるがままに描いた、いわゆる「真景図」でありながらも、放菴自身の心の中にある理想郷を重ね合わせているようにも見えます。そもそも、洋画家として画家の道を歩み始めた放菴ですが、未醒時代から東洋的山水画を描いており、このような姿勢がスケッチにも表われたのではないかと考えられます。日本各地の風景を描いたスケッチ、油彩画、そして山水画を列べ、生涯画家は風景に「何」を見てきたのか、未醒から放菴へと移るプロセスと共に考察します。

 さらに、放菴は国立公園の事業に深く関わっていました。そもそも、国立公園の制度は明治期に当時の日光町の請願によって始まったことや、当館が国立公園内に存在する数少ない公立美術館であるという由縁から、「国立公園絵画」コレクションが当館に寄贈されるに至りました。1931(昭和6)年から制作が始まった国立公園絵画は、藤島武二や鹿子木孟郎、梅原龍三郎らの当時を代表する洋画家たちによって制作され、途中戦災などで放菴らの作品が失われる悲劇もありましたが、その後、猪熊弦一郎や須田国太郎らの次世代の画家たちによって、新たに作品が制作され、2009(平成21)年に全80点が揃いました。この国立公園絵画コレクションは、単に風景を描いただけに止まらず、近代日本の洋画の変遷を辿ることのできる貴重な作品群でもあります。これらの作品から、近代日本の洋画の流れと共に、画家の風景に対するまなざしの変化を追います。

 以上の3つのコレクションを軸に、本展では、洋画・日本画、さらには真景図・山水図と、ジャンルを超えて描かれた近代日本の風景画を、日光と小杉放菴を起点に紹介します。

詳細情報
会場 小杉放菴記念日光美術館 展示室
主催 公益財団法人 小杉放菴記念日光美術館/日光市/日光市教育委員会
料金 一般720(640)円、大学生510(460)円、高校生以下は無料
※( )内は20名以上の団体割引料金
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた方とその付き添いの方1名は無料となります。
※第3日曜日「家庭の日」(1月21日)は、大学生は無料となります。
関連イベント 担当学芸員によるギャラリー・トーク
  2018年1月14日[日]、1月28日[日]、2月12日[月・祝]
  各午前10時30分より(1時間程度)
広報 コレクションの20年展チラシ.pdf
風景画いろいろ展出品目録.pdf
お問い合わせ 小杉放菴記念日光美術館
〒321-1431 日光市山内2388-3
telephone:0288-50-1200